水曜、以外の曜日、平日、放課後。
一人の教師が図書室の前で扉を凝視しながら硬直している。
蔵書数はいい方にも関わらずあまり人の見られない図書室に、普段の彼は水曜しか訪れることはない。
しかし今日、水曜以外の今日、なのに、
彼は図書室を訪れようとしていた。
(私が入っても、久藤くんは困ったりしないだろうか)
(やはり作業の邪魔になってしまうかもしれない)
(入らない方がいいか)
(でももし私を待っていたりしたらどうしようか)
図書室の前で考えに耽ること、約30分。
水曜、以外の曜日、平日、ホームルーム。
「―連絡は以上です。」
「きりーつ」
がたがたがた、と椅子の動く音がクラスの出席人数分。日直の掛け声、
「れい、」
ありがとうございましたー、と口々に言う生徒。
放課後の始まり
「糸色先生、ちょっといいですか?」
「何か御用ですか?」
「ええと、御用ってほどでもないのですが…」
「放課後、うちによってきませんか?」
そう言われたのが2時間ほど前。
誘った本人は今糸色が立って手を当てている扉の向こう側にいる。
(どうしよう どうしよう どうしたらいい)
(きょうはすいようびじゃない から)
(やはり、だめですよ ね)
やはり諦めて、帰ってしまおうかと思いいたった時
糸色が手をついていた扉がスライドし、結果支えを失い前へと倒れ掛かってしまった
どさっ
「いたたた…」
「す、すみません!私が考え事をしていたばっかりに…って」
「先生、お怪我はありませんか?」
「く どうく」
「ああ、平気そうですね、よかった」
そう言いながら久藤は微笑んだ。
「なんとなく、先生がいる気がしたんです。それで、扉に行ってみたら」
「案の定私がいた、と」
「ええ、よかったです」
「?よかったとは…」
「先生、さっききっと帰ろう、って思い至ったでしょう?」
「!?何故それを!さては私の心を…」
「読んでませんよ、勘です」
「勘…ですか」
「はい、先生のことが大好きな僕の、男のカンってやつです」
そう言いながら糸色のほうを見やると、白い肌が薄く夕焼け色に染まっていた。
それは、夕陽の悪戯ではなく、
「先生…もしかして照れてたりする?」
「!!て、照れてなんていません!」
そう言いながらぷいん、とそっぽを向いてしまう。
そんな様も愛しく、また目を細める久藤。
彼らの向かう先は久藤の家
まだそこまである距離
夕日に映し出された影の手は、繋がっているように見えた
待
っ
て
ま
す
で
も
待
ち
き
れ
な
い
「いつもと同じ本日に、また」の続編のつもり。あんまり続いてない\(^q^)/
そして当初の目的からずれてたりします。いったい何が書きたかったんだろ…orz