色鮮やかな夕焼けが校舎を橙色に染める頃。
トロイメライが放課後を告げてからしばらく経っている。
糸色はその日もいつもと同じように図書室へと足を向けていた。
先週の今日と同じ曜日に同じように赴き、本を2、3冊借り返す、毎週変わらぬ作業。
確かに本を読むことを楽しみにしていた。
しかしそれ以上に、
彼
に
逢
う
こ
と
が
楽
し
み
だ
っ
た
「来週の水曜までに返して下さいね」
「わかりました」
「今回先生が借りた本、僕も前読みましたよ」
「本当ですか?」
「ええ、とてもいいお話でした。お勧めします」
「君が言うなら間違いないですね」
「高く評価していただけているようでうれしいですよ」
「だって、久藤くんですから」
「理由になってませんよ、先生」
クスクス、と響く放課後の図書室。彼ら以外に人はいない。
久藤准は図書委員。糸色望は担任。
二人の放課後は、まだ終わらない。
そう、来週の水曜も また
先生は毎週決まった日にだけ図書室に現れるといい。
あんまり行き過ぎると変な噂が立つとか思いこんでてなかなかいけないとか。
でも、久藤くんと帰るために図書室前で待ってみたりとか。
むしろ怪しい(笑
ん、そんな話書きたい^^