うららかな午後。



誰もがゆったりと転寝をしたくなるような、暖かい午後の陽をうけ、2のへ組の多くの人間は眠りの世界へと誘われつつあった。

黒板に白い粉の棒―チョークを叩きつける一人の教師、背は中々に高く、ほっそりと華奢でいてその顔は人の肌の色のそれより

透き通り、淡い紫の血管が見えそうなほどに白い。

カツカツカツと音が鳴る度、黒板の黒は白に埋められていく。

この教師も普段は阿婆擦れたことばかり言っているが、授業態度はいたって真面目。

いつもの絶望と叫ぶ彼もあれで可愛く思えるが、こちらの真面目にしている彼も近寄りがたいオーラがまたその美貌に拍車をかけている。


(って、まるで詩人みたいだなぁ僕は。)


そう思いつつ、また先生を見つめる。あくまで手に本、顔は頁へ向け視線のみで彼を追う。


「ではここはー…って、みなさんどうやらお疲れのようですね」


大半の方が眠ってらっしゃる、とぼやく彼。

そう、この陽に耐えているのはわずか数名。真面目な人か変わったやつかといったところ。


「そうですね、ちょうどいい!起きている久藤くん、ここなのですがー…」

「―でしょう、あってますか?」

「正解です。さすがは久藤くんですね」


先生に褒められた。 うれしい!

褒めてくれたときの先生の笑顔は格別。いつもの厭世的な艶然とした微笑みも素敵だけど、今のようなよくできました、にぱ!という
笑顔もとても素敵。
! ! !







ある日の変態の惚気


久藤くんはいつも先生を見て、まじめな顔しながら頭の中がお花畑だといいなーと思ってます。
こういうのがポーカーフェイスなのか…?